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ベルギー:YouTubeやSpotify等での音楽や映像の利用について 著作者及び実演家に報酬請求権を付与

芸団協CPRA 法制広報部

2022年6月、ベルギーで「デジタル単一市場における著作権指令」(DIRECTIVE(EU)2019/790)を国内法化するための法改正が行われ、ストリーミング型オンライン・コンテンツ共有サービス(Facebook、YouTube、TikTokなど)及びストリーミング型配信サービス(Netflix、Disney+、Spotifyなど)での著作物及び実演の利用について、著作者及び実演家に報酬請求権が付与された(ただし後者については、音楽及び映像作品の利用についてのみ)。

この報酬請求権は、著作者及び実演家がレコード製作者や映画製作者等にインターネット送信に関する権利(日本の自動公衆送信権や送信可能化権にあたる)を譲渡している場合に与えられ、上述のサービスプロバイダーに対し報酬を請求することができる。譲渡したり、放棄したりすることができないため、契約で行使できなくすること等はできない。また団体協約がない限り、集中管理団体によってのみ行使できることとなる。著作者や実演家個人ではなく、集中管理団体により行使されることで、報酬額の決定や報酬の支払いの円滑化を図っている。

ベルギーの実演家権利管理団体、Playrightは、著作隣接権にとっての新たな時代であり、今回の法改正により、譲渡又は放棄できない報酬請求権だけがデジタル時代のミュージシャンや俳優に十分かつ衡平な保護を与えることがはっきりと認められた、と高く評価している。

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