SANZUI vol.06_2015 winter

カンゲキのススメ

Illustration / Takao Nakagawa

vol.6ミュージカル

音楽だけでも、ダンスだけでも、お芝居だけでもなく、全部一度に楽しめるのがミュージカル。いわばエンターテインメントのいいとこどりです。「突然歌いだすのはリアルじゃない」と言われることもありますが、みなさんも嬉しいとき、元気になりたいとき、思わず歌を口ずさみたくなりませんか?気持ちを歌で表現するのは、実は自然なことなのかも。革命に燃えるパリ、サバンナの動物たちの王国、海底にひろがる魔法の世界......時代や場所の隔たりや、夢と現実の境も飛び越えられちゃうミュージカル。一度観てみませんか?

このドキドキ、まさに「次元が違う」!

「2.5次元ミュージカル」ってご存じですか? 漫画やアニメなどを舞台化したもので、1974 年に始まった「ベルサイユのばら」以来、「テニスの王子様」など多くの作品が上演されてきましたが、ここ数年本数も動員数も急増中。2 次元の漫画やアニメと3 次元の演劇の中間だから「2.5次元」。おなじみのキャラクターが歌って踊るのを目の当たりにすると、まさに次元の壁が崩れていくかのよう。この感覚はやみつきになるかも!

マイクはどこに?

ミュージカルではオーケストラに負けない歌声をマイクを通して客席に届けます。演技をしたり踊ったりするのに、手で持つマイクは邪魔ですよね。そこで使われるのがワイヤレスマイク。送信機を衣装の中に入れ、ケーブルを背中に通し、豆粒ほどのマイクを顔に付けて使います。手のひらに乗る小さな機械ですが、なんとお値段は自動車並み! 湿気に弱いため防湿庫で大切に保管されます。

スポットライトをあびていなくても

観劇するとき、まず目がいくのはステージの中央の登場人物たち。でもせっかく生で観るのなら、後ろのコーラスにもご注目ください。よく見ると、この人さっきも違う場面で見たような? そう、ミュージカルでは、主要登場人物以外の出演者はひとつの演目の中でたくさんの役を演じることがよくあります。次々に衣装を着替え、それぞれの役を演じながら歌って踊って大忙し。役名のないこともしばしばですが、彼らこそ、迫力ある音楽、説得力のある舞台をつくる陰の立役者なんです。ぜひオペラグラス(双眼鏡)の力を借りて、彼らの表情まで楽しみましょう。レンタルできる劇場もありますので、事前に確認を。

子供といっしょに出かけよう!

楽しい場面はより楽しく、切ない場面はより切なく。音楽が気持ちを引っ張ってくれるミュージカルは、登場人物の思いや物語の盛り上がりがわかりやすいので、お子さんと一緒に楽しむのにもぴったりです。子ども料金が設定されている公演もありますし、身長の小さいお子さんにはクッションを貸してくれる劇場も。映画館などでも一般的となったサービスですが、実はミュージカルが最初。劇団四季の元保育士の職員の方が考案したんですって。

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