SANZUI vol.08_2015 autumn

SANZUIぱっしょん

気持ちがひとつとなって作り上げる楽しさ ~G.R.E.S.仲見世バルバロス~

毎年夏に開催される浅草サンバカーニバル。1981年に第1回が開催され、今年で34回目を迎える。約50万人が訪れる浅草サンバカーニバルでは、コンテスト形式のパレードも行われ、毎年真剣勝負が繰り広げられる。第1回から参加しているのが、地元のサンバチーム「仲見世バルバロス」だ。

サンバというと、露出度の高い衣装を身に着けた女性が踊るというイメージが強い。しかし、サンバでは、チーム毎のテーマを、ダンスや歌、演奏、衣装、山車の全体を通じて表現する。テーマに合わせ、山車や衣装を自分達で制作する。山車の制作には3ヶ月も要するという。楽曲もオリジナルだ。

メンバーは20代から50代までの男女と、地元浅草に限らず、関東一円から参加し、結成当時から携わっているメンバーもいる。参加したきっかけも、浅草サンバカーニバルを見て、友人に誘われてなどさまざまだ。

「初めて参加する人には、まずリズムに乗ること。それが楽しいと思ってもらえるよう心がけています」。リオのサンバカーニバルにも参加したことがあるトップダンサーの宮崎さんは言う。サンバのダンスには、基本のステップはあるものの、ソロのダンサーになると、アドリブがほとんどになるという。「打楽器隊に敬意と感謝の気持ちをもって踊っています。こうやって踊れるのは、素晴らしい演奏のおかげ。ダンスを通じて、みんなの情熱を引き出したい」。打楽器がメインになるのも、サンバの特徴のひとつ。打楽器が刻むリズムに合わせ、ダンサーのテンションがあがる。ダンサーの踊りに煽られ、打楽器のリズムも躍動する。この一体感が、サンバの雰囲気を作り出している。

「先日、家に帰ると、子どもから『久しぶり』と言われました」と、会長の星野さんは笑って言う。それだけメンバーが一緒に過ごす時間も長い。仕事で地方に異動になっても、参加しているメンバーもいるという。「バルバロスは家族みたいなもの」芸術監督を務める風間さんは言う。気持ちがひとつになって作り上げる楽しさが伝わってくる。


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