CPRA news

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各委員会を中心としたCPRAの取り組みについて

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 9月9日に開催された権利者団体会議において、令和2・3(2020・2021)年度CPRA運営委員が選出された。これを受けて、10月2日に開催された運営委員会では、委員長及び副委員長が選出され、前期同様、運営委員会の下に七つの諮問委員会を設置するとともに、担当運営委員を決定した。CPRA運営委員会の新体制決定を踏まえて、崎元讓運営委員長のほか、七つの諮問委員会の担当運営委員に、コメントをお願いした。


CPRA新体制にあたって
 平成5年(1993)年に設立された芸団協実演家著作隣接権センター(CPRA)は、現在は、世界的にも例を見ない、実演家と事業者によって運営される著作権法に基づく実演家の権利処理の集中管理団体である。「権利者の、権利者による、権利者のための機関」として、CPRAはその業務について「独立性」、「専門性」、「透明性」をもって運営している。
 今期、令和2・3(2020・2021)年度の運営体制がスタートした。今期も権利者団体会議委員(4名)、運営委員会委員(13名)はともに全員前期の役員が再任された。運営委員会委員長は、私、崎元が、副委員長には金井文幸委員と中井秀範委員が再任された。また今期の諮問委員会も従来どおり設置された。前期同様、運営委員、各権利者団体、学識経験者から適任者が選任された。なお諮問委員会については、現状に合わせて設置、統合を検討していくことが確認されている。また運営委員会についても、運営委員に事務局からの人材を登用することなどを含めて、総務委員会で協議をしていくことになった。
 今年は新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、私たちの業界、特に実演家は大変厳しい状況になっている。最近は経済も動き始めてはいるが、まだ大変な状況は変わっていない。CPRAとしては、今まで以上に実演家の権利を守り、使用料等の徴収、分配を円滑に果たしていくために、今ある権利の維持はもちろん、「レコード演奏権・伝達権」や「ウェブキャスティング」など新たな権利獲得を目指していくことが重要である。
 今期もこれらの諸課題を前に進めていくために権利者団体会議、運営委員会、各諮問委員会及び事務局職員が一丸となって活動していくことが大切である。これからも引き続き関係諸団体のご協力とご指導、ご鞭撻をお願いします。
(運営委員長 崎元 讓)


法制広報について

 新型コロナウイルス感染症拡大は、我々エンタテインメント業界に甚大な影響を与えた。ライブやコンサート、イベントなどの中止、延期等により被った実演家や事務所の経済的損失は計り知れないものがある。そのような中、実演家の権利の集中管理団体として、使用料を徴収し、分配するCPRAの役割は、益々重要なものとなっている。
 そして、新たな集中管理範囲の拡大の可能性も含む実演家の権利の拡充も重要である。ウェブキャスティングにおける実演家の権利行使の在り方や、レコード演奏権・伝達権の創設については、本委員会の下に設置された権利問題研究プロジェクトチームにおいて鋭意検討が続けられている。権利の拡充に向けて、欧米だけでなく、韓国をはじめとするアジア諸国の動向が示唆するところは少なくなく、調査研究を継続する必要がある。
 関係者や広く一般に実演家の権利の重要性を訴える上で、広報が果たすべき役割も益々重要となる。「CPRAnews」やウェブサイト、勉強会などを活用して積極的に情報発信していく必要がある。
 このように法制広報委員会では、「法制」と「広報」とが一体となって実演家の権利を守り、創造を支えるCPRAの役割の一翼を担っていきたいと思う。
(中井秀範運営副委員長)

総務について

 昨年度のCPRAの徴収額は、CDレンタル市場の縮小が続いたものの、ほぼ横ばいであった。今年度は新型コロナウイルス感染症拡大により放送局の広告収入が減少し、商業用レコード二次使用料に多大な影響を及ぼすであろう。
 今後のCPRA収入減が見込まれる中、使用料の徴収と分配を滞りなく安定させ、合理的に実現することは、CPRAに課された大きな社会的使命であると考えている。新たな組織運営や働き方の確立など、更なる環境整備を積極的に進めたい。
 また、CPRAも発足から四半世紀が経過したが、より充実した運営を続けて行くためには、次世代への知識・経験の継承、後進の育成が急務である。今期はそのための具体的な道筋を示すための期間としたい。
(相澤正久運営委員)

二次使用料について

 商業用レコード二次使用料、昨年度に74億円を超えた。その大半を占める日本民間放送連盟とは昨年度末に複数年契約に合意し、放送事業収入は緩やかな減少傾向にあるものの、当面は徴収額が安定するものと見込んでいた。しかし新型コロナウイルス感染症拡大により状況が一変した。スポンサー収入の大幅減収や東京オリンピック・パラリンピックの開催延期等、民間放送全体の徴収について先行きが見通せなくなった。
 緊急事態宣言下での在宅時間増加により、インターネット配信での有料動画視聴の需要が拡大し、配信事業者自ら制作する番組も増えている。そうした中、NHKがテレビ同時配信を開始し、民放キー局も実験的ながら取り組んでいる。現在同時配信は、放送の補完という位置づけであるが、近い将来、スマートフォンによる視聴が一般的になる可能性もある。
 著作権等管理事業者として、利用者のニーズに応じ、インターネット配信関連の集中管理を引き続き強化したい。増加傾向にある同時配信の徴収を順次進めていく。また、ウェブキャスティングの集中管理への取り組みについても、市場の拡大を念頭に置き、実演家に適正な対価を還元するため、具体的に進めてゆきたい。
(金井文幸運営副委員長)

貸レコードについて

 CDレンタルサービスは大変厳しい状況である。定額制音楽配信サービスの定着により、CDの生産実績が減少し、CDレンタル市場の縮小が進んだ。貸レコード使用料の徴収額は、10年前に比べて半分程度にまで減少した。更に、新型コロナウイルス感染症拡大により、定額制動画配信の需要が高まり、貸レコード事業者が兼業するDVDレンタルサービスに影響を及ぼすものと思われ、更に厳しくなることが予想される。
 文化庁長官の指定団体として、市場のニーズが続く限り、貸レコード事業者に対して滞納を防ぎつつ徴収を行うよう努める。日本コンパクトディスク・ビデオレンタル商業組合(CDV-J)とは、適正な使用料と、確実な徴収方法について、解決できるよう協議を進めたい。
(金井文幸運営副委員長)

音楽関連分配について

 商業用レコード二次使用料の分配では、2010年頃から定着した放送使用楽曲の全曲報告化に伴い、過去数年間にわたって分配精緻化に向けた検討を重ねている。
 その結果、フィーチャード・アーティストについては、2014年度に規程の改正を行い、新たな方法による分配を開始した。現在、ノンフィーチャード・アーティストの分配方法について見直しを行っているが、昨年度は経過措置として、商業用レコード二次使用料、同様の分配を行っている録音権使用料および送信可能化権使用料、私的録音補償金の規程改正を行い、ノンフィーチャード・アーティストの分配を一部変更して実施した。
また、権利者団体会議の命により、音楽関連分配委員会の諮問機関として「分配精緻化検討ワーキンググループ」が設置された。ここでは、利害等を超えて将来を見据えた分配の全体像構築に向けた技術的検討を行うとされ、諸外国の分配事例を参考にしながら、楽曲参加データ収集方法や使用料計算方法等の研究を進めている。また関係各所に対する演奏家の氏名表示に係る要請・啓発活動についても、引き続き検討を行っている。
 管理事業の録音権使用料および送信可能化権使用料では、CPRA委任者にもかかわらず、様々な事情から分配が保留となった権利者に対する遡及救済措置を検討している。
(椎名和夫運営委員)

海外徴収・分配について

 昨年度末の海外団体との契約数は34か国45団体となり、いずれの団体ともSCAPR(実演家権利管理団体協議会)が運用する実演家データベース(IPD)における実演家の個人識別番号(IPN)をキーとした適正な徴収・分配を実施している。海外分配額については大きな変動はないものの、海外エージェントの登録数が年々増え続け、昨年度末で60法人、分配額も全体の4 分の1を超える勢いとなっている。海外徴収額は微増の傾向にあるが、作品情報データベース(VRDB)内の権利者不明楽曲の検索等により引き続き徴収業務の強化を目指したい。
 アジア団体の育成支援事業は、2010年度より実施している実務研修が10周年を迎え、これまで招聘した5か国に対してはその後も継続的な支援を続けている。
 さらに昨年度からはSCAPRの開発協力ワーキンググループにも積極的に参加し、法整備、集中管理団体の設立またはその運営等アジア各国が直面しているそれぞれ異なる課題について共有した。
 大きな音楽市場を抱えるアジア地域からの将来的に安定した徴収を目指し、今後もSCAPRとの連携を強化しつつより多角的にその支援事業に取り組んでいきたい。
(安部次郎運営委員)

データセンター推進について

 データセンター推進委員会では、音楽関連分配委員会および同委員会の諮問機関として設置された「分配精緻化検討ワーキンググループ」での検討による商業用レコード二次使用料ノンフィーチャード・アーティスト分配の精緻化に向け、データ検証等のサポートをしていくとともに、分配方法につき合意が得られた段階で速やかにシステム改修を進めていく。
 一方で分配の精緻化にあたっては、システム面での充実のみならず、分配に使用するデータの充実がもうひとつの大きな課題となる。政府においても同じ問題意識から、散逸する権利情報等の集約を目的とする「権利情報集約化協議会」を設置し、この数年来、調査研究や実証事業等を行ってきているが、その事業の核となる「ミュージック・ジェイシス協議会」の会員として、引き続き同事業等に積極的に参加し、そこで得られた知見等を今後の課題解決に役立てていきたい。
 また、関係団体の連携強化の一環として利用してきた「権利者団体連携システムMAPS」については、前期の検討においてシステムリニューアルを実施することが合意されており、実務者の利便性向上および作業効率化を目的としたシステムの構築を検討していく。
 なお、コロナ禍における徴収額の減収も懸念される中で、システム開発については導入効果とコストとのバランスをこれまで以上に考慮しつつ、効果的な業務改善を実現していきたい。
(椎名和夫運営委員)