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年頭に当たって

公益社団法人日本芸能実演家団体協議会 会長 野村 萬

 昨年、令和という新しい御代を迎え、本年は、いよいよ東京オリンピック・パラリンピック開催の年となります。さらに、実演家の権利保護の歴史においては、旧著作権法の改正により、「演奏・歌唱」が著作物として位置づけられて100年、現行著作権法が成立し、新たな著作隣接権制度の下、実演家の権利が認められてより50年という、大きな大きな時代の節目に当たります。

 この節目に臨み、実演家著作隣接権センターCPRA事業、また、実演芸術振興事業の運営の核に据えるべきは、常に変わらず、社会において芸能が果たすべき役割について、自らに問い、かつ担い続ける強い自覚にあろうと考えます。

 去る10月15日、文化芸術振興議員連盟主催の「国会芸術祭」において私は「我が日本の芸能は 古より今に至るまで 人々の日々の営みより生れ出で 豊かなる文化の礎となる......我らの生きる支え 人々の生きる誇りと申すべきなり」と申し上げました。正にこの心を忘れず、組織においては「老・壮・青」が密なる緊張感を以て事に臨みつつ、公益法人としての責任と意志を持続させていかなければなりません。

 昨年はまた、私にとりまして、望外な栄誉を賜わる年でありました。11月に頂きました文化勲章は、舞台活動の成果に留まらず、平成9年より勤めております芸団協会長として、「我が国の芸能の発展向上に尽力している」との評価を併せてのものでありました。組織運営に当たり、実演家自身の目配りの大切さを思い、「太郎冠者のエネルギーと心」で勤めたいと念じて参りましただけに、誠に有難く、重く受け止めております。

 河村建夫議連会長による、「五輪の年には文化省」の提唱より早5年。12月の議連総会においては、「具体的検討に直ちに着手すること」との「決議」が行われ、文化庁の「京都移転に向けた効果及び影響の検証」という課題が掲げられました。平成29年、文化芸術基本法への改正の背景として示された、「社会の状況が著しく変化する中で、観光やまちづくり、国際交流等幅広い関連分野との連携を視野に入れた総合的な文化芸術政策の展開が求められている」との認識は、「文化芸術の本質的な価値」を土台としたうえで、文化芸術省のありかたの起点として捉える事の出来る理念でありましょう。

 さらに、文化芸術にとって、「継承・創造・発展」が、何よりも大切であることは言うを俟ちません。このことが社会に確りと位置づくためには、次代を担う子どもたちが、豊かな文化環境にあることが肝要であり、議連の決議に取り上げられた「芸術教育の充実」が、文化芸術立国の基盤となるもの、と申し上げても過言ではありません。

 「国会芸術祭」において私はまた、「大いなる志の成就を 堅く心に決するものなり」との宣言を結びの言葉と致しましたが、年頭に当たり、この言葉を以て本年を覚悟の年とし、邁進する所存を申し上げ、御挨拶と致します。